October 11, 2006

「英語・コンピュータ・数字に強いビジネスマン」=「ものすごく芸達者な飼い犬」


   今日は2時間で読める面白い会計本を紹介します。「数字は見るな」(下左図)というタイトルの会計本です。著者曰く、本の隠れコンセプトは、「小学生にもわかる会計」です。著者の田中靖浩氏は、会計士業界ではかなり有名です。というのも、有名な大手の会計士受験予備校で、長年「財務諸表論」 の人気講師であったからです。実は私も、「カネなし、職なし、彼女なし」の修行僧のような無職受験時代の気分転換?に、彼の講義を受けていました。
 
   内容は書籍を読んでいただくとして、読者に会計の本質をわかりやすく「イメージ」でつかまえさせることに関しては、田中氏の右に出る方は業界にいないのではないでしょうか。敵情偵察のため、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」や、「なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?」も本屋でパラパラと立ち読みしましたが、購入してみたくなったのは、この一冊だけでした。会計について書かれた本は山ほどありますが、姑息な節税対策や、時事ネタ(危ない会社ランキングなど)に頼ることなく、きちんと本質を抑えていてこれ以上にわかりやすい本はなかなかないと思います。基礎から会計を勉強してみたい方にはオススメです。ちなみに私が決算書に関するセミナーや勉強会をするとき、いつも薦める本は、同一著者の「経営が見える会計」(下右図)です。
 
   冒頭のタイトルはこの著書の中で、多くのサラリーマンが目標としているタイプのビジネスマンを著者独特のユーモアで皮肉ったものです。とても印象的だったので今日のタイトルとしていただいてしまいました。私の周りにも「芸達者」な方が沢山いらっしゃいますが、儲かっている会社のオーナー社長さんなどとお話すると、「芸達者」なだけでは、絶対に「経営者」のレベルには到達できないことを日々痛感させられます。

 私は、専門家も大きく分けて3つのレベルがあると思います。

(レベル1)難しいことを限られた方に難しく説明する専門家
(レベル2)難しいことを、多くの人にわかりやすく説明する専門家
(レベル3) 難しいことも易しいこともとにかく「あなたが話すなら・・・」と多くの方に納得させてしまう専門家

 
   ファンクラブまでできてしまうレベル3のカリスマ専門家はともかくとして、まずは私自身もレベル2を目指したいと思います。



 


01:26:40 | cpainvestor | | TrackBacks