October 12, 2006

最近の投資活動

   
   このブログは、もともと自分の投資備忘録として始めたものなので、たまには、最近の私の投資活動に関しても記載しておこうと思います。

   まず今年の第三四半期末までのパフォーマンスですが、なんとかギリギリで年初来からプラスに転じたというのが9月末の状況でした。ここ半年の新興市場のきつい下げの渦に巻き込まれ(下図青線)、私も日本株は惨憺たる状況ですが、前から保有していた中国株、今夏から始めた米国株という助っ人のおかげで、なんとかペナルティエリア周辺で防戦しているという状況です。気がつけば年初にはポートフォリオ全体の残高の10%程度でしかなかった外国株が現在では、30%程度にまで拡大しております。たまたまラッキーだっただけなのかもしれませんが、改めて分散投資の重要性を痛感する今日この頃です。

   こういう下げ相場の時には、なるべく「流れに逆らわない」ようにしています。つらいですが、「買値からの下落率10%で損切りするルール」をこれまで通り徹底しています。バリュー投資は、「自分が想定する企業の価値に対して価格が割安な時に投資し、割安感がなくなったら売却する」わけで、本来、買値だけを基準にすることには何の意味もないわけです。また、行動ファイナンス的には、むしろこの「買値を基準に売買をすること自体がバイアス」であるとされているわけですが、このルールは自分の精神状態を健康にしておくために私が自分に課したルールですので、やむなくそうしています。

   その結果、第一四半期の決算が悪かった平安レイサービス(2344)は既に全株売却しましたし、業績下方修正を出したリオチェーン(9834)もポジションをかなり落としました。(というかいったん全株売却して、若干買い戻しました)また、ダイオーズ(4653)に関しては、ほぼ取得原価近辺で全株売却し、この資金は中国株に投じました。最後のダイオーズに関しては、別に「買値10%下落ルール」に触れたわけではないのですが、中国株の投資資金に振り向けたかったため、7月頃には売却しました。

   ただ、平安レイサービスにしても、ダイオーズにしても、決して会社の状態は悪くないと思っていますので、適度に下がってきたところでまた買い戻そうとも思っています。(平安レイサービスには、早く婚礼サービスをやめて、葬祭業に特化して欲しいとは思っていますが。)

   そんなこんなでキャッシュポジションは2割近くまで高まっています。じっくりマークしている銘柄が下がるのを待ちたいと思っています。


JASDAQ (Blue) vs TOPIX(Red) 200603-200609

00:27:14 | cpainvestor | | TrackBacks

October 02, 2006

反 省

  
  REFIGHT先生からのご指摘により、私もビズネット社について、再度よく調べてみることにしました。一応、財務の専門家のはしくれでありながら、リスク情報を158社スキャンニングしただけで、短絡的に記載してしまいました。反省しております。
REFIGHT先生のおっしゃるように、この会社、上場直前に塁損を解消し、上場で資金を調達してからは、実質無借金であり、確かに利益も出ています。

  最近の株価下落もあって、時価総額が30億と異常に低くなっています。一方で資金調達したばかりの上場直後で、かつ流動資金を必要とする卸売ビジネスであることもあって、20億以上のキャッシュをもっています。 この結果、来期予想のEV/EBITDA倍率も2倍強と激安となっています。この面からみると、ある程度の利益が出るのであれば、この銘柄は実は、いわゆる「資産バリュー株」に分類できるかもしれません。REFIGHT先生のおっしゃるように財務をある程度見てから書くべきでした。この事業モデルを前提に、今後もある程度の利益が出るのであれば、確かに、「ビジネスモデルが破綻しているかのような記載」は言い過ぎでした。この場で訂正致します。

  ただ、私が申し上げたかったのは、「上場適格性」という観点で、この銘柄には、苦言を呈したかったのです。プラスはガバナンスの効きにくい未上場会社です。そして既に、アスクルを切り出して上場させています。この上で、更に、グループから切り出したビズネット社も、グループ内競合のリスクが高いのに上場させるというのが、あまりにむごいと思ったのです。突き詰めれば「子会社上場の問題点」に行き着くのかもしれませんが、顧客がかなりの部分、グループ会社とかぶるでしょうから、必然的に事業調整がなされるのでしょう。これは、「上場会社としてどうなのかな?」という視点です。アスクルの時もそうでしたが、「まず、プラスが上場することが先でしょう」という論理です。
  実は、昨年のIPO会社でもう一つ、同じような状況の会社がありました。システムズ・デザイン(3766)という会社です。この会社は、いわゆるシステム構築の会社ですが、会計PKGソフトのPCA(9629)と同一オーナーの兄弟会社であり、両社の間にそれなりに取引もあります。これについても同様の印象を持ったのは言うまでもありません。いくらでも両社間で利益調整ができます。

  これまでのIPOの実務では、外から買収してきたというような経緯がある場合を除き、同一グループ内で、事業が競合する可能性が高いような会社が複数ある場合には、証券会社が説得し、合併させるなりして、コンフリクトをある程度解消させてから上場させるのが一般的でした。ただ、ここ数年は、証券会社の「良心」もだいぶ薄くなったようで、「開示すればOK」的なスタンスに変わってきたように思います。この点について、一般投資家保護の観点から、「自己責任とはいえ、むごい」と思ったわけです。(私の知る限り、このグループ内事業競合の激しさと競えるのは、かつてのコナミの上場子会社ぐらいでしょうか・・・)

  最後になりますが、REFIGHT先生、有意義なご指摘ありがとうございました。私のような者のブログをのぞいてくれていたことをうれしく思います。私もかつて、あなたの非常に有名なサイトで多くのことを勉強させて頂きました。僭越ながら、リンクさせていただくことに致しました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

  読者の皆様からの有意義なコメント、今後もお待ちしております。


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