December 14, 2006

三振かホームラン

   
   たーちゃんさんが「赤字企業への投資」の魅力について書かれています。私もこれについては、かなり魅力的な投資になることがありうると思っています。

   たーちゃんさんは、景気循環株を例にあげていますが、私の好きな「財務も業績も悪い会社」は、「本業は堅調なのに、多角化事業の失敗で大損こいていて、かつ、これに反省して多角化事業のリストラを猛烈に進める段階にあるような会社」でしょうか。


   過去の成功体験で恐縮ですが、今から5年ほど前、まだJASDAQにいた「レオパレス21」という会社に投資していたことがあります。当時、自己資本比率は5%程度だったと思います。ちょうど敷金、礼金いらずの「マンスリーレオパレス」が認知されてきた頃で、本業(アパートの建築請負、保有、賃貸、仲介事業)は、かなりの勢いで伸びていました。毎月の入居率がHPで発表されており、常に90%を超える水準で推移していたと思います。それにもかかわらず、過去の負の遺産であるグアムのリゾート開発での投資の失敗の費用処理が重く、過剰債務を若干棒引きしてもらったものの、ひたすら稼いだ利益で借金を返す状況が続いていました。

   2001年頃の日本のマーケットは、ちょうどITバブルが崩壊し、日経平均株価がその後の7,000円台の大底に向けてダラダラと下げ続ける状況で、「何を買っても下がる」というような状況でした。特に、過剰債務の企業は、猛烈に売り込まれ、当時のレオパレスの実績PERは4倍を切っていたと思います。
   
   何かの雑誌の記事で、「レオパレスの復活!」のような記事を見て、とても気になり有価証券報告書を調べてみましたが、あまりの財務状況に、目を覆いたくなるような状況でした。ただ、着実に借金の残高が減少していたのと、いつも「マンスリーレオパレス」が、人気があってなかなか申し込めない状況になっていることがHPで確認できたので、株価400円程度で少しだけ保有してみることにしました。

   「マンスリーレオパレス」の好調は、その後も継続し、業績は順調に回復していきます。また、第三者割当増資や、資本準備金を欠損金填補に繰り入れるなどして、BSの見栄えも、自己資本比率そのものも少しずつ改善していきました。折からの低金利政策という追い風もあって、債務が多いにも関わらず、支払利息も最小限度で済んだため、業績はその後V字回復し、会社はぐんぐん成長しました。グアムリゾートも一連の減損処理を終えたことで、とりあえず止血効果は出たようです。

   こうした業績の急回復の結果、株価もどんどん上昇し、最終的に私は、取得原価の4倍程度の金額で売却することができました。この売却益は、実は私の新婚旅行の原資となりました。(笑)

   もちろん、投資した当初は、いつつぶれてもおかしくない状況にあったわけで、完全に銀行に首根っこをつかまれていたのだと思います。その意味で、きわめてハイリスクな投資であったわけです。(ですから、心臓が小さい私は集中投資はできませんでした。)ただ、うまく成功するとリターンはものすごく高いわけです。(その後、レオパレスの株価が5,000円近辺まで上昇したのは、無念としか言いようがありません。もし保有し続けていたら、初めてのテンバガー(10倍株)体験になったかもしれません。本当に良い勉強になりました。)

   「財務も業績もダメな会社」への投資、また機会があれば、チャレンジしてみたいと思っていますが、よくよく現在のターゲット企業のビジネス状況を研究する必要があります。残念ながら、今はその時間が私にはないです。どなたか、良い研究対象となりそうな「本業は堅調なのに、多角化事業の失敗で大損こいていて、かつ、これに反省して多角化事業のリストラを猛烈に進める段階にあるような会社」がありましたら、教えて下さい。


00:50:20 | cpainvestor | | TrackBacks