December 17, 2006

有価証券報告書の戦略的読解セミナー

   
   今日は、私と家族にとって貴重な日曜日、家族になんとか無理を言って、外部セミナーを受けて来ました。シェアーズ、山口さんの「有価証券報告書の戦略的読解セミナー」です。

   内容を総括すると、ケースでとりあげられた、三星食品もカンロも、「うちの有価証券報告書をこれだけ深く読み込んでくれてありがとう。」と感謝されるぐらいの内容だったと思います。前回参加したマネックスでの山口さんのセミナーでもそうでしたが、資料もよく作りこまれていて、非常にわかりやすかったです。3万円という値段が高いと思うか安いと思うかは、受講者の知識レベルや運用資産額、ニーズの方向性にもよると思いますが、私は「もう少しお値段を安くすれば、さらにブレークするのでは・・・」などと思ってしまいましたが、このプライシングは、顧客セグメンテーションの一環なのかもしれません。

   有価証券報告書は、制度に基づくフォーマットで企業情報が開示されており、かつ、その記載内容も多岐にわたるため、とかくこのようなセミナーを行うと、内容が総花的になりがちですが、「過去→現在→将来というストーリーをもって読む」というテーマを貫き通すことで、全体を非常にうまくまとめていたと思います。経営や、財務、会計に、ある程度の知識がある方には、有価証券報告書の読解法が非常にスムーズに頭に入っていったのではないかと思います。「開示情報に基づく企業分析の本質」を学びたい方には、非常に良い内容だと思います。個人投資家の多くの方が、このような深い視点で有価証券報告書を読み込んでくれたら、作成する会社も、監査をする会計士も、これほどうれしいことはないと思います。

   私にとっては、事業を分析する際の新たな切り口もいくつか頂きましたし、非常にわかりやすいセミナーでした。これに、もし会社が中期事業計画などを発表されている場合には、これもからめて説明していただければ、有価証券報告書読解セミナーの枠を超えて、Bestの企業分析セミナーになったと思います。

   ただ、もしかすると、あまり会計、財務等に関する知識が得意ではないという個人投資家の皆さんには、一部は、かなり難しい内容で、消化不良となったかもしれません。このセミナーの内容をすみずみまで理解しようと思うなら、かなりの会計、財務知識と投資経験が必要となるかもしれません。正直言って、会計制度と過去情報にしか興味のないような古株会計士にこそ、受けさせたいと思うような内容でした。

   
   中身は、間違いなく「本物」です。投資上級者が改めて有価証券報告書を読み直す際には、非常によい「道標」になると思います。このセミナーもシェアーズでDVD化されるようですから、価格がリーズナブルと思われる勉強熱心な皆様は、購入を検討されると良いかもしれません。


追伸:山口様

 今回もまた、良いセミナーをありがとうございました。家族の事情もあり、懇親会に参加できなくて残念でした。
 リスク情報」や、「対処すべき課題」を見る際の視点として、「?説明が構造化されているかどうか」、「?具体的数値目標が入っているかどうか」を大事にするとのこと、私もまったく同意見です。ただ、実際作成者側に接していると、そこまで重視していない会社(企業の企画担当者任せになっている会社)が多いですが・・・。

20:47:33 | cpainvestor | | TrackBacks