May 12, 2006

平安レイサービス(2344)の決算発表

 私の保有銘柄の一つ、冠婚葬祭業を主力とする平安レイサービスの決算発表(JASDAQ2344)があった。売上高9,018百万円(対前年比2.6%増)、経常利益1,463百万円(同13.8%増)、当期利益618百万円(同7.2%減)、営業CF1,343百万円(同5.7%増)と、すこぶる良くはないが、事前予想とほぼ同様の内容であるといえる。決算書をざっと見て、気がついた点は以下の通りである。
? 当期は、特別損失に計上されている452百万円が大きい。これは新しい会計基準が導入されたことに伴う一時的な費用なので来期は増益要因となる。
? 上記費用を補うために当初から想定されていたのか、もしくは業績が当初予想より下ぶれしたために、急遽実施したのかは不明だが、役員退職慰労引当金の辞退による戻入益150百万円が増益要因となっている。(創業経営者、さすがにIPOで儲けているだけあって立派である。
? セグメント情報によれば、冠婚事業の利益率の低下が激しく、堅調な葬祭事業がこれをカバーする形となっている。より利益率の高い葬祭事業の比率が高まったことで、営業利益率は改善している。(前期12.7%→当期14.5%)
? 税法上の同族会社であり、留保金課税がかかっている。これはもう少し配当するなり、同族持株比率を減らすなりして、ぜひとも解消して欲しい。
? 新規出店や葬祭業のフランチャイズビジネスを積極的に展開するとしているが、来期の業績予想が今期とほぼ横ばい程度であるのはやや不満が残る内容である。

 この銘柄の特徴はずばり、互助会会員の生前払込金である前払式特定取引前受金(15,492百万円)の性質を有利子負債と同様に見るかどうかにかかっている。
これが、実質的に返済義務のない将来のサービス提供のための前受金であると定義すると、有利子負債は実質的にゼロであり、資産サイドの価値ががぜん高まる。現金預金が4,499百万円、供託金が4,086百万円、土地(簿価ベース)が6,548百万円、投資有価証券1,692百万円、長期性預金600百万円、占めて17,425百万円である。これに毎期営業CFが1,300百万円程度安定的に創出するビジネスがある。
これに葬祭ビジネスが隠れた成長産業であることを考えると、現在の時価総額は12,159百万円は、いかにも割安だと思う。

それにしても低採算の結婚式場は早くやめて高採算の、葬儀サービスだけにしてもらえればと、常々思っている。


01:36:24 | cpainvestor | | TrackBacks