November 07, 2007

「エキナカビジネス」に見る鉄道会社のポテンシャル

  
以下、11月6日付、日経新聞朝刊より抜粋です。

  セブンイレブン、売上高で首位明け渡す・1店舗日販   コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンが1店舗・1日当たり売上高(日販)で首位の座を明け渡した。2007年度中間期決算で比較すると、JR東日本が駅構内に展開するコンビニ「ニューデイズ」の日販は66万2000円で、セブンイレブンを5万6000円上回った。商品力を武器に高収益を上げてきたセブンイレブンだが、立地で勝るJR系に逆転された。


  商品力や店舗のオペレーションノウハウで圧倒的な強みを持ち、コンビニ業界の日販でダントツの首位だったセブンイレブンが、よりにもよってJR系「NEWDAYS」に負けるとは・・・、日経新聞では小さな囲み記事の取り扱いでしたが、私にとってはかなり衝撃的なニュースでした。

  セブンイレブンに行くと、特に、弁当惣菜コーナーなどには、いつも新しい製品が並んでいて、その商品の回転の速さに驚くと同時に、単品管理による徹底した商品の絞込みと、新商品の開発に日々たゆまぬ努力を重ねていることがよくわかります。セブンイレブンは、いつも新しい発見があるので、行ってみて楽しくなることも多いですよね。(昔、わらべや日洋の株式を持っていた頃を思い出します。)

  このセブンイレブンと比較すると、JR東日本管内のエキナカに位置するNEWDAYSは定番商品は置いてあるものの、その品揃えにまったく驚きはありません。まさに「抜群の立地の良さ」と「店に入るのが不快にならない程度の品揃えと接客」という感じです。(関係者の方、いらっしゃったらすみません。)人件費は、セブンイレブンとほぼ同水準であると仮定して、NEWDAYSの家賃や光熱費などのコスト負担割合がどの程度あるかにもよりますが、あの品揃えとオペレーションで「コンビニ日販日本一」とは、やはり、「エキナカ」は恐るべき立地です。

  ここ数年、JR東日本は、エキナカビジネスを徹底して強化しています。エキナカ部隊は、ルミネなどで小売業を手がける部隊と同様、いわゆるポッポヤさんとは別採用となってますし、彼らがJR東日本の組織風土に飲み込まれることなく、本気で外部からノウハウを吸収したら、「もともと立地はこの上なく最高」なわけですから、すごい収益があがるような気がします。なんと言っても、JR東日本管内で、一日5万人以上の乗降客がある駅が88もあるわけですから、潜在的に魅力的な立地はまだまだ沢山ありそうです。先日東京駅に新しくできたGRANSTAをチラッと偵察しましたが、「ほとんどデパチカ」でした。これは、大丸や八重洲地下街の店舗の皆さんはたまったものではないなと思いました。

  同じくエキナカの潜在的価値に着目するとすれば、JR東日本に比べ、まだ、このマーケットがほどんと未開拓な企業が存在します。東京メトロです。こちらも5万人以上の乗降客がいる駅は68もあるようですから、その潜在力はかなりのものがあると思われます。


  東京への一極集中が益々進む中で、折しも、東京メトロは、民営化・上場などが予定されているようです。株式市況が低迷する中での「東京メトロIPO」となれば、これは買いかもしれません。安間さんの言うように、国富を守るためにも、中国やアラブあたりの国営ファンドなどに、上場と同時に大量購入されないことを祈ります。


00:40:58 | cpainvestor | | TrackBacks