March 29, 2007

4月8日セミナーに来て下さる皆様へ



「現役会計監査人が初めて明かす決算書深読み術セミナー」


  毎晩、遅くまで上記セミナー資料を作っています。頭の中のコンセプトは完全に固まっているのですが、これを資料に落とし込むとなるとそれなりに、知恵を絞って作業する時間が必要となります。今回は、これまで本業でやってきたような大手企業でのセミナーとは趣旨も受講者も全く異なるため、これまでやったもののライブラリーのパーツを組み合わせて作るというより、ほぼ、一から作りこむ形となっているため、タイムチャージで言うと既に採算割れだと思われます。(笑)

  内容的には、今のところ以下のような筋立てを想定しています。

○ 財務諸表の仕組みと会計の限界、不正の類型(イントロダクション)
○ 定性分析を交えた業種、業態別のチェックポイント
○ 特殊な状況下(M&A,IPOなど)における財務諸表を見る際の留意点
○ 知っておいて損はない注記その他の開示情報の意味
○ まとめ(〜経営者の誠実性をどう見抜き、騙されない投資家をめざすか〜)
(付録)開示資料から「怪しい兆候」を嗅ぎ取るためのチェックリスト

  正直「盛りだくさん」過ぎるかなとも思っていますが、別に小出しにしてこれで食べて行こうという気持ちは今のところ全く持っていませんし、本当に「卒業研究」だと思っていますので、可能な範囲で目いっぱい入れさせてもらいます。消化不良が出たら、お許し下さい。

  皆さんは、ひょっとすると粉飾事例やその摘発手法に興味があるかもしれませんが、その個別論点を知ったからといって、良い銘柄を選択できるわけではありませんし、よほど分かりやすい事例を除き、会計士も騙されるような「粉飾」という事故にあう確率をゼロにすることは難しいと思います。

  そうなると、やはり最後は、「少なくとも今の自分の保有銘柄が怪しい状況に陥っていないかどうか」をある程度、判断できるような、より一般化した分析のフレームワークやその前提として必要となる様々な基礎知識を確実に伝える形が良いのではないかと思っています。

  そういう意味では、まず、第一に、一般化した分析のフレームワークとして、このセミナーでは、実際に海外の大手監査法人が使っているような定性分析のフレームワークをModifyしたものをいくつか紹介したいと思っています。また、合わせてビジネスのタイプ別に「開示資料の見るべき視点」を事例を交えながらご説明します。(つまり、個別事業のリスクを挙げて分析をしていくと、まったくキリがなくなるので、ある程度似たようなビジネスモデルをヒトククリにしてそのチェックポイントを説明しようという発想です。)

  第二に、財務諸表の注記情報を有効に活用するためのベースとなる知識を伝えようとすると、1990年代後半以降の「会計ビッグバン」という全面的な制度改正の中で導入された各種の企業会計基準を総ざらいする必要が出てくることに資料を作成しながら気がつきました。できるかぎりわかりやすく投資家に必要なエッセンス部分だけを紹介しますので、このセミナーに参加するだけで、結果として新会計基準の重要な内容のほとんどが、おさらいできてしまうのではないかと思っています。

  第三に、IPO関連の知識です。時間の制約もあり、枚数を多くは避けませんが、ここは私の専門ということもあって、しゃべれる内容は沢山あります。これも実際の「IPO目論見書の見るべき点はどこか」という話に絞って投資家に役立つ知識を提供できればと思っています。

  第四に付録です。ここは今日作っていますが、チェックリスト形式にして、受講者の皆さんに、毎決算ごとに自分の保有銘柄の決算短針を見る際に使ってもらえるような、「お手軽なお土産」となることを想定しています。これで最低限の皆様の保有銘柄のリスクヘッジはできるようにとの配慮です。

  今回は、Valuation手法などについては、ほとんど触れる時間はないように思います。その手の内容は既に山口さんが非常に良いセミナーを沢山開催していますので、そちらのDVDなどを参考にして下さい。

  まだまだ粘って、資料を作り込みたいと思っています

すみませんが、今日はもう寝ます。



01:52:35 | cpainvestor | | TrackBacks