June 01, 2007

堕ちる会社 大研究

  
  月刊「宝島」さんが、「堕ちる会社大研究」と題して、ここ1年の株価暴落銘柄リストを特集されています。日経ビジネスや週刊ダイヤモンドから始まったビジネス誌の不祥事企業特集もこの「150社リストアップ」で総括された感があります。

  この特集を読んでいて、1年で株価が80%以上も暴落する銘柄というのは、以下のような、ある程度共通したいくつかの特徴があるように思いました。

? 本業が上流産業の市況の影響を受けやすい受注産業、顧客からのリピートが見込めない単発商品・サービスの販売産業など、少し勉強している投資家ならば、「事業の内容」を読んだだけで、「かなり安定性に欠けるな」と理解できるような会社が多いこと。

? 本業の調子が悪くなるに従って、上場した時の資金や、無理な第三者割当増資、MSCBなどで調達した資金を使って、時には業態そのもの転換まで狙ったM&Aをやり始めていること。(こういうのを見ると、自己資本比率が高いことはまったくあてにならないことがよくわかります。)

? 上記のような無理な資金調達により、事実上、会社そのものが投資ファンドに乗っ取られたような形になっていて、完全な投資会社となってしまっているケースもあること。

? 会計方針の変更、監査人からの会計処理の指導などが入ったことが引き金で業績大幅下方修正となっている会社が多いこと。

? やはり、一発資産を減損すると決算への影響が大きい、ソフトウェア、コンテンツ系の業種はそれなりに多いこと。

 まあ、「上記のような性格を持った銘柄に投資をされる時には、十分にご留意下さい。」という「教訓」にはなるのではないかと思います。また、空売りを専門にやられる方には、全く逆に「投資有望度」をはかるファクターになるかもしれません。

  P.36 に「IPOを担当する現場会計士としての本音」を少し採り上げてもらいました。ご参考まで。



00:22:01 | cpainvestor | | TrackBacks