April 17, 2007

Buffett の今回の動きをどう見るか


  以下、Financial Timesのサイトより一部抜粋です。

 Buffet buys heavily into US railroad sector
 Monday, 4,9,2007
 The value of the largest North American railroad companies was boosted on Monday after Warren Buffett's Berkshire Hathaway emerged as a big investor in the sector.
Over the weekend, Mr Buffett's conglomerate disclosed that it had amassed a 10.9 per cent stake, worth more than $3bn, in Burlington Northern Santa Fe (NYSE:BNI) , the Texas-based freight company. The news sent Burlington shares soaring to close up 6.6 per cent at $88.17 on Monday.
 The effect of Mr Buffett's investment in Burlington quickly spread to other big railroad companies, particularly after a Berkshire Hathaway spokeswoman confirmed to Reuters that the company was also investing nearly $1.4bn in two other railroad groups.


  世界第二位の富豪で、我らが敬愛する著名投資家、Warren Buffettが、米国の鉄道会社を買い始めたようです。米国中西部を拠点とするBurlington Northern Santa Fe(BNI)をはじめ、いくつかの鉄道会社を購入したとの発表で鉄道株が急上昇しているとの報道です。

  飛行機、車社会の米国で、20世紀の遺物とも言われそうな鉄道会社を購入するところが、いかにもBuffettらしいと言えなくもありません。

  超成熟産業として、BNIの業績はジリ貧かと思いきや、過去3年のPLを見てみると絶好調です。いくつかの記事によれば、原油価格の高騰による代替エネルギーとして石炭が見直され、石炭の鉄道輸送などの需要が増えているようです。もともと固定費が重い業種でしょうから、輸送量、単価が上昇して売上が増加すれば、利益は大きく増大します。

  好調な業績を反映して、ここ5年の株価も上昇し続けています。

  今回のBuffetの投資で特徴的なのは、既にかなり株価が上昇している段階での好業績銘柄の購入であるということです。過去のアメリカンエクスプレスやワシントンポストなどの投資時に見られたようなマーケットの悲観時の逆張り投資ではなく、株価的に「天井圏かもしれない?」今の段階の投資であるところに、個人的には、今回の投資の意図を測りかねる部分があります。

  踏み上げ太郎さんの分析によれば、「バイオエタノール」などの輸送が今後爆発的に増加することを見越したBuffett特有の「トールゲート」抑え込み戦略であるとの解釈をされています。この前提には、鉄道の輸送キャパシティがまだまだあって、まだその全てが生かしきれていないため、需要さえ盛り上がれば、売上の伸びしろは相当あるはずだという仮説があるのだと思います。


  いずれにしても、米国鉄道株の動向は要チェックですね。Buffett報道で爆騰してしまったようなので、とりあえずは、私も鉄道株をウォッチリストに加えたいと思います。




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April 09, 2007

感謝


シェアーズさんのセミナー、無事、終了することができました。

  最終的には60名以上の受講者の方に来ていただき、満員御礼でした。新幹線や夜行に乗って、遠くから来ていただいた方も沢山いらっしゃいました。本当に感謝です。受講者の皆さんが、今回のセミナーで、何か一つでも思い、考え、ご自身の投資活動に生かして頂ければ、講師の私として、これほどうれしいことはありません。

  お誘い頂いた山口さんを初め、シェアーズの皆さん、本当にありがとうございました。企画、集客のみならず、最後の最後までマテリアルの修正が入り、ご迷惑をおかけしましたが、皆さんの獅子奮迅の活躍で無事、最後までやりきることができました。特に、資料の添削指導と、絶妙な「合いの手」を差し伸べて助けてくれた山口さんに改めて感謝します。

  それから、私から何もお願いしていないにもかかわらず、ご自身のサイトやブログでご紹介頂いたバリュー投資家の皆さんにも感謝です。皆さんのおかげでレベルが高い、意欲のある個人投資家さんにたくさん集まっていただき、私も今の仕事を総括する最高の舞台を与えられました。


  そして、最後になりますが、妻に最大の感謝をしたいと思います。私の「自己実現欲求」のために家族での「夫」「父親」の役割が半月以上、消滅しました。それでも、今回もまた、黙って見守ってくれました。君がいたから、最後の最後まで、がんばれたように思います。本当にありがとう。



  「個人投資家の一人一人が、騙されない投資家をめざして勉強することが、日本の資本市場を良くすることにつながる」というこのブログのメッセージが、今回のセミナーでどこまで伝わったかはわかりません。ただ、今後ともこのブログを通して、個人投資家の役に立つ内容を記載していきたいと思っていますので、読者の皆様、どうぞよろしくお願い致します。

 セミナーの受講者の方で、ご意見、ご感想がありましたら、以下にコメントか、メール(アドレスはプロフィール欄に記載があります)頂ければ幸いです。

 







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April 03, 2007

知的刺激


  今日は、シェアーズの山口さんと、セミナーの打ち合わせを行いました。
投資家の皆さんに今回の内容をいかにわかりやすく伝えるか、そして、その知識をどう自らの投資行動に生かしてもらうか」その一点について、真剣に議論しました。私にとって非常に有意義な時間でした。

  やはり、異分野の方とのコラボレーションは、大きな知的刺激になります。山口さんのコンセプトのまとめ方、分析の切り口には、思わずうなりました。すぐに頭に浮かんだイメージを図やチャートにして書き出す様を見て「よく訓練されているなあ」と改めて思いました。おそらく何十というレポート、提案書などを書いた経験があるのだと思います。
 おかげで、私の作業は、やり直し部分が増えましたが、「納得」の指摘だったので、これもより良いものを創り出すための「生みの苦しみ」だと思ってがんばります。(泣)


  当日は、IXIの中間決算短信を受講者に事前にお配りし、その粉飾事例研究からスタートします。そこから、様々な粉飾事例を体系化し、個別事例を「文書に落とせない話」も含めて現場経験者の立場から解説します。個々の事例について、「そこからどんな投資の教訓が得られるか」を受講者の皆さんにもじっくり考えてもらいたいと思っています。
 
  そして、最後は、「粉飾事例や、大幅な下方修正事例に遭遇するのをできる限り避けるためには、個人投資家としてどういったようなことを考えていけば良いのか」を私達会計士の実際の監査アプローチなどをヒントに、私なりに考えていることをお話できればと思っています。

  付録として、「私なりの投資手法」と「怪しい兆候チェックリスト」などをおつけしたいと思っています。半日という短い時間ですが、これまでの知識、実務経験を凝縮した良いものにしたいと考えています。録画もしないことにしてもらったので、守秘義務に触れない範囲で、遠慮なくしゃべります。お楽しみに。(笑)

  当日、多くの皆さんと共に考え、セミナー終了後に美酒を飲めるのを楽しみにしております。
 
 
  週末、平日深夜の労働で家族に大きな借りができてしまいました。これが終わったら、どこか温泉にでも皆を連れて行き、子供とめいっぱい遊んであげたいと思います。


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