May 21, 2007

最近、面白かった本 2冊

  
  たまには、投資・ビジネス書以外の書籍を紹介したいと思います。どうも自分の嗜好だけで書籍を選んでいると偏るため、書評などを読んでひっかかるものや、「尊敬する友人、先輩」などが推薦してくれたものは、とりあえず買ってしまうことにして、気が向いた時にカバンに突っ込んでおくようにしています。その日の気分によって読みたい本が変わることも多いため、カバンの中には、だいたい硬めの本と軟らかめの本の2冊、それに雑誌か新聞を入れておくことが多いです。(おかげで妻には、「アンタのカバンは重過ぎる」とよく言われます。)

       



  今日ご紹介する1冊目は、「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」(上左)という何かのパロディっぽいタイトルがついた新書です。映画字幕翻訳者としてのキャリア20年の太田直子氏が、プロならではの視点で、「映画字幕のウラ話や苦労話」を面白おかしく語っています。また、最後は、配給側から、年々易しい字幕の表現、解説風の表現が多く求められ、「言葉の貧困化」、「文脈や空気が読めない観客の増加」が進んでいる現状を憂いています。とにかく、テンポの良い楽しい文章で、最後まで一気に読めます。
  さすがは「人間が読めるのは1秒間に4文字」という制約の中で、翻訳をされてきた方です。字数制限が緩くなると、字幕以上に面白い文章が思いつくようです。洋画が好きな方には、気分転換にオススメの1冊です。


  2冊目は、「ハゲタカの饗宴」(上右)という経済・サスペンス小説です。著者のピーター・タスカ氏は、かつて、日本株担当の人気ストラテジストとして、名を馳せた人ですが、こんなに面白いサスペンス小説も書けるなんて、本当に多芸な人だと思います。投資家の皆さんには、おそらく、とても面白く読めるサスペンス小説だと思います。こちらは、GW中に読んだのですが、久しぶりに、先が気になって止まらなくなり、夜を徹して読んでしまいました。
  外資ファンドに買収された某名門銀行がモデルになっており、魑魅魍魎の不良債権の山の中から、いろんなものが出てきます。あまり内容を書くと、これから読まれる方には面白くなくなってしまうので、やめておきますが、かつて、破綻金融機関や不良債権化した企業の調査などを手がけていた人間としては、舞台設定も興味深く、息つく暇もなく、読みきってしまいました。こちらもオススメです。




Posted by cpainvestor at 01:02:46 | from category: k.書評 | TrackBacks
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