June 21, 2007

携帯Before After

  
  先日、ある後輩女性スタッフ(20代半ば)から、次のような悩み相談を受けました。

  「職場の先輩(20代後半:男性)から、仕事の指示を出すメールをもらうのは良いが、その指示のメールに報告の返信を求むと書いておいて、追伸部分に、「頼むから日曜日に時間をくれ」とか、「一度でいいので一緒に食事をしてくれないか」とか依頼して来られる方がいるので、返信の際に困っている」という内容でした。

  休日出勤も強いられる忙しい毎日、私生活にはまるで女っ気なしとくれば、同じ男性として、職場の女性に抱いてしまう恋心に理解できる部分はありつつも、こういうやり方は、やはりコミュニケーションのルール違反、立派なセクハラなのだと思います。

  いつの時代も、コミュニケーションが極端に不得手な方はいると思うのですが、最近思うのは、現在の30歳頃を境に、それより前の世代で、コミュニケーション下手な人が特に増えているような気がするのは、私だけでしょうか。まあ、おそらく、私の働く職場のような業界は、学生時代にサークル活動もせず、勉強ばっかりしていた人間も多いので、世間一般よりも「変人比率」は高いのだと思いますが、目と鼻の先にいるのに、要件をメールで伝えられたりすると、さすがに私も「???」となります。

  現在の30歳前後というのは、おそらく学生時代に携帯や電子メールが爆発的に普及し始めた世代だと思います。私のような、Before携帯世代(現在31歳以上と定義します。)の方々は、学生時代、ガールフレンドに電話をするのも一苦労だったと思います。相手が一人暮らしでない限り、必ず「親チェック」が入るため、両親特に父親が出た場合、どのように接したらスムーズに娘さんに繋いでもらえるか、電話をかける前に必ず言葉遣いのシミュレーションをしたものです。全然聞かれてもいないのに、「○○大学のAと申します。娘さんとはいつも○○サークルでご一緒させて頂いております。」などと相手方のご両親に事細かに自己紹介してしまった経験は、皆さんもあるのではないでしょうか。
  After携帯世代(現在30歳以下と定義します)となると、学生時代から既に携帯で連絡をとりあうようになっていますので、「親チェック」も入らず、事前のシミュレーションは不要となります。また、携帯メールを使えば、お手軽かつ一方的に自分の気持ちを相手に伝えることができます。夜中に「ああでもない、こうでもない」と便箋に向かって推敲を重ねながらラブレターを書くのとは、わけが違います。
 
  携帯やメールの登場で、コミュニケーションが非常に手軽になったことで、逆にAfter携帯世代は、TPOをわきまえた組織内でのコミュニケーション能力が不足している人間がBefore携帯世代に比べて相対的に多くなっているのではないかという私の「仮説」、どなたか、検証して頂けないでしょうか。ご意見をお待ちしております。

  この仮説がもし正しいとするならば、早くから、携帯を子供に渡すのは危険であるような気がします。(論理の飛躍でしょうか・・・)自分の息子達には、直接異性に気持ちを伝えて当たって砕けて欲しいですし、目の前にいる人にメールを送るようなことはして欲しくありません。(まだ、息子は幼児なのに考え過ぎの父親ではあります。)


  ちなみに、冒頭の女性スタッフに私は聞きました。
「それって、もし、そういう誘いをかけてくれる人が自分のタイプだったとしても、やっぱりよろしくないってことだよね?」

  女性スタッフは言いました。
「そんなわけないじゃないですか。喜んで行きますよ。」


  セクハラと社内恋愛は、紙一重のようです。皆さん気をつけましょう。



P.S.
  携帯電話で思い出しましたが、ついに今週、長年、私の中国株主力銘柄であったChina Mobileを最低売買単位分だけ残して全て売却しました。4年で4倍、ご馳走様でした。ここ2週間で、中国株は、残高の2/3以上を売却しました。


Posted by cpainvestor at 00:55:53 | from category: g.その他ビジネスの話題 | TrackBacks
Comments

rita:

ははっ、ふはっ、激しく同感です。
携帯・個室・コンビニ世代とそれ以前との違いはありますね。それ以前の人でコミュニケーション下手は更に始末に終えません。
(June 23, 2007 07:27:39)

うにぞう:

業務用メールは社内にCc保存するようになってから、面倒なことは減ったような気がします。
(June 24, 2007 01:29:03)

rita:

内定を断る学生さんの傾向が変わったのも携帯世代からだと思う。1〜2番掛け間違っていたのかもしれないが、電話に出た相手が果たして自分がこれから話すべき相手であるかどうかを確認しないのは、本人が携帯世代だと言うことと、その親もそういう上司奇異を教育してないと言うことなのだろう。いきなり【○○大学の××ですが・・】と話し出し、部署が違うと説明しても担当者は居ないのかと食い下がる。あるいは、一方的に用件を述べてきる。
そういう方には残念ながら入社いただかなくて良かったと思うと同時に、どの会社へ言っても大変だろうと思う。
若い社員で相手の部署名も確認しないが、自分の部署名も内部でしか通じない用語で話す人もいる。おなじ社内とはいえ、一般語とそうでない言葉の区別はつけられないといけないと思うのだが、最近は一人一番号になっているので携帯世代にはそれがなぜ確認が必要なのかが理解できてないのかもしれない。
(July 01, 2007 22:39:23)

cpainvestor:

rita様

 鋭い、ご指摘、ありがとうございます。全て、「人のフリ見て、我がフリ直せ」なのでしょうね。私も失礼な電話の仕方をしないよう気をつけたいと思います。

 採用の現場、トンデモナイ方も多くて、大変でしょうね。
(July 01, 2007 23:29:17)

cpainvestor:

うにぞう様

 確かに、金融機関の方などは、全てのメールが上司にとんでいったりしてますよね。そうなれば、このような事態はなくなるような気もしますが、相互監視が強化されるようで、仕事はやりづらくなるようにも思います。見るほうの上司も変なメールが沢山来たら、たまらんでしょうね。
(July 01, 2007 23:32:17)

うにぞう:

補足しますと、システム開発を扱っているのですけど、そのプロジェクトの業務に関わる連絡メールは必ず、プロジェクト用のメールBOXにCcすることになっていまして、確認しようと思えば確認できる状態になっているというものです。急なシステムトラブルで即時に対応指示をしたときなど、勘違いもあり、その原因を追跡したりするのに使っています。
(July 04, 2007 20:32:23)
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