October 31, 2006

フットワークが軽くて、かつ場の「空気」が読める人

   
   日経ビジネス2006年10月23日号の特集は「日本一売る!」でした。最近、個人的に最も興味があるのが、営業やマーケティングなので、興味深く読めました。記事に表現されている部分は、おそらく実際の営業ノウハウのほんの一部でしかないのだと思いますが、それでもこの分野が専門でない私には、示唆に富むメッセージがいくつかありました。

○ 営業に限らず、人間関係は会う回数に連れて深まっていく。だからこそ、短い時間のアポイントメントの回数を重ねる。(ベンツ販売日本一のセールスマン)
○ 商品を見ているお客様が、日常会話と同じ大きさの声で私を呼び止められる立ち位置にこだわる。(薄型テレビ販売日本一のセールスウーマン)
○ 販売テクニックはその人の人間性は超えられない。(ジャパネット高田社長)
○ 「売りに行くな。話をしに行け。話の中からお客様の健康を気遣え」(群馬ヤクルト販売社長)
○ 「もう保険に入っています」と言われてあきらめるのではなく、自らの信念で「こういう保険も必要なんです」と提案しなさい。(明治安田生命の伝説のセールスウーマン)
○ 単純なお客様の声や機械では分からない「心の声」を聞こうと取り組んでいます。そのためのきっかけ作りとしてお客様へのお手入れに力を入れています。(カネボウ化粧品販売日本一のセールスウーマン)

   千人のセールスマンがいれば、千通りの売り方があるといわれるのが営業の世界ですから、体系化はなかなか難しいのだと思います。ただ、B to Cのビジネスに関して、抜群のセールスセンスを持つ何人かの知り合い、友人を見ていて思うのは、以下の2つの点です。

・ とにかく好奇心旺盛でフットワークが軽くマメである
   潜在顧客がいると思う場所には、必ず足を運んでいます。営業の基本は、潜在顧客への訪問回数×成約率であるとはいえ、この努力には頭が下がります。これに顧客紹介案件が増えてくると、潜在顧客のポテンシャルも上がっていくのでしょう。足しげく通い、友人の友人をいつのまにか顧客にしてしまっています。

・場の「空気」を読むのが抜群にうまい。
   できるセールスマンは、基本的に聞き役にまわることが多いですが、良く見ると、顧客のタイプによって、対応を微妙に使い分けています。一言で言うと場の「空気」を読むのが抜群にうまいわけですが、うまく論理的に説明できないのが残念です。こういうものは、幼少期からの人間形成の過程で身につく部分も多いのでしょうから、なかなかマネが難しいです。

   
   少しでも、彼らのスキルを身につければ、私の業界では、大きな差別化要因になるだけに、「営業スキルの習得」は、現場で泥にまみれながら、腰をすえて取り組んでみたい課題だと思っています。


Posted by cpainvestor at 00:30:55 | from category: g.その他ビジネスの話題 | TrackBacks
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