November 04, 2006

新しいIPOのかたち 英会話会社の100億円Dealは成功するか(その1)


 
   以下は全て、株式会社GABAの「上場申請のための有価証券報告書」から得られる情報をもとに筆者が創作したフィクションのIPOインサイドストーリーですのでご注意下さい。



   平成16年の年初、株式会社GABAの創業者、吉野英樹は悩んでいた。「この事業を自分が続けるべきだろうか・・・」
 
   「日本人ビジネスマンの英語コンプレックスをなくすためには、マンツーマンで外国人ネイティブと、レベルの高い実務的な内容をたくさん話す機会を提供するしかない!」その思いで妻カレンと始めた外国人教師斡旋ビジネスは、やがてマンツーマン英会話スクールGABAとなり、順調に拡大を続けていた。

   次の成長のためのステップとして、当然「株式公開」という目標を持っていた。そのためには、優秀な人材の採用は欠かせない。まずは、ハーバードMBA卒で英会話事業の経験もある青野をスカウトし、最高執行責任者を任せた。本格的な公開準備にも着手し、社内の業務管理体制の構築を進めてもいた。ただ、一方で別の疑問が頭にもたげてきた。

「自分の自由が利かなくなりつつある組織を引っ張るために、これからも自分は走り続けなくてはならないのか・・・」
「立ち上げた事業とは全く関係のない公開準備という間接業務に今後も忙殺されるのだろうか・・・」
「創業者利得を得た後も、四半期ごとに投資家から評価され続けることに耐えられるだろうか・・・」

   立上げた事業が軌道に乗り、ふと、以前の同じ高いモチベーションでは仕事をできなくなっている自分がいた。「できることなら、公開前にもらえるものはもらって、このビジネスからは手を引きたい。そして自分のためにもう一度、時間と資金を使いたい。」吉野は、そういう心境になるまで、それほど時間はかからなかった。

つづく


Posted by cpainvestor at 01:23:46 | from category: i.IPO分析 | TrackBacks
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