November 09, 2006

新しいIPOのかたち・・・英会話会社の100億円Dealは成功するか(その4)


   以下は全て、株式会社GABAの「上場申請のための有価証券報告書」から得られる情報をもとに筆者が創作したフィクションのIPOインサイドストーリーですのでご注意下さい。

   NIFは、GABA社内の士気を上げるため、経営陣には若干の現物株とかなりの量のストックオプションを付与した。また外国人講師を含めた多くの従業員にもストックオプションを大盤振る舞いしている。その結果、最終的に、ストックオプションは、公開時の増資前発行済株数の25%を占める水準にまでなった。これは、公開後に株を購入しようとしている一般投資家の利益を大きく損ないかねない水準である。当然ながら、NIFの売り出しには、ネガティブな要因となる可能性が高い。

   現経営陣になって最初の1年決算である平成17年12月期は、売上高55億、経常利益11億となった。(抱き合わせ株式消却に伴う特別損失が発生しているため、最終損益は赤字)かなりの好決算である。結局、このタイミングを最大限に生かし、株式公開を最優先させるため、この期をもって東証Mothersに上場申請をすることとした。ただし、主幹事の判断で、平成18年12月期の上半期決算は、業績動向、予算達成状況を確認することとなった。
平成18年10月末、ようやく東証Mothersの上場承認が出た。売買開始まであと20日程度。いったいいくらの時価総額がつくだろうか? うまく値崩れさせずに、ファンドは100億円DealのEXITができるのだろうか・・・。


   次回は、このIPO案件の興味深い点について総括してみたいと思います。


Posted by cpainvestor at 23:55:24 | from category: i.IPO分析 | TrackBacks
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