May 18, 2006

行儀の悪いコメント

以下、?GDH(Mothers3755)のディスクロージャー資料より抜粋

当期の売上高及び利益について、概ね当初の予想通り推移いたしましたが、一連の資本市場における混乱を鑑み、会計監査人と協議した結果、以下の通り売上高を保守的に計上することとなりました。
コンテンツファンドから受注したアニメ作品等の制作事業売上高の一部について、3月中に成果物を納品しておりましたが、ファンド組成に関する付随契約の一部の締結が翌期になっていることから、当該売上高を保守的に翌第1四半期の計上といたしました。また、これに伴い経常利益及び当期純利益を修正いたしました。
 以上の結果、上記のとおり修正を行うものであります。

きっと、会計監査人から決算間際になって急に「売上計上は認められない」と言われて、頭にきて出したコメントなのだろう。ただ、「資本市場の混乱」と会社の売上計上タイミングは本来関係ないはずである。
売上計上の際に満たすべき2要件を忘れてはならない。
? 企業外部の第三者への財又はサービスの提供
? 対価としての現金又は現金同等物の受領
 
  そもそも、自分が組成したコンテンツファンドに制作物を売るというビジネスモデル自体が、不動産ファンドの運営会社と一緒で、利益コンフリクトが生じる可能性が高く疑いをかけられやすい。(上記?を満たしているのか?)このため、売上計上に関しては、そのタイミング、金額とも、より慎重に検討されるべきである。
  投資家の立場としては、そもそもこのような構造的に利益コンフリクトが生じうるビジネスモデルには積極的に手を出す必要はないと思う。見た目のROAの良さにだまされてはいけない。
  リスクを加味しても本当に儲かる可能性が高いと判断するコンテンツ投資案件であれば、自己資金で投資するはずである。外部のファンド資金を利用とするということは、それなりの理由があるはずである。不動産流動化銘柄しかりである。


01:18:21 | cpainvestor | | TrackBacks