September 27, 2006

なぜ、このような会社が上場できてしまうのか。

 最近、仕事で、IPOに関するセミナーを行いました。このための下調べとして、2005年に公開した銘柄のほとんどの目論見書の主要部分にざっと目を通しました。158社もありましたので、さすがに疲れましたが、むごい発見もあったので、ここに記載しておきます。

  ビジネスモデルが危なっかしい銘柄は、IPOにはつきものですが、この会社のビジネスモデルはしびれます。どことは言いませんが、主幹事証券担当者の顔が見たいです。

  この会社の特徴は以下のとおり。
? 事業は文具卸売、小売業、(彼らは全社的な文具調達コストを削減するソリューションを提供していると主張しています。)ターゲットは中堅以上の企業だとか。
? 親会社は文具卸の大手、有価証券報告書提出会社とはいえ、未上場のプラス
? 兄弟会社には、文具通販のアスクル
 
  何が言いたいか、わかっていただけますでしょうか。同じグループ内で、事業が思いっきり競合しているわけです。親子兄弟で骨肉の争いが起きそうな状況であります。利害調整するはずの親会社は、未上場でベールに包まれているため、この会社の上場は、親会社の代理資金調達のにおいがプンプンします。この会社のターゲットは中堅企業以上で、アスクルのターゲットは中堅以下企業なので、競合しないって、目論見書には書いてありましたが、それは本当なのでしょうか。

  予定通り、上場後の業績はさえず、株価は暴落中です。

2005年、ワーストIPO大賞を授与します。


00:45:47 | cpainvestor | | TrackBacks