September 30, 2007

 秘書一筋


 
  この9月末をもって、私が大変お世話になった以前の職場の秘書の方が定年退職されることとなり、ご丁寧な挨拶メールを頂きました。学生時代に、この方と都合2時間ほどお話させて頂いたことがきっかけで、私は会計士という職業を知り、この道に進むことを決めました。
 
  いわゆる「団塊世代の女性」ですが、高校卒業後、単身渡米され留学、帰国後、世界で最も権威のある国際会計事務所の日本事務所の初めての新卒採用秘書として採用され、途中退職されて子育てに専念された後、再び復職して同じ事務所の一秘書として仕事をやり遂げる、この時代の女性の生き方としては、なかなかできない生き方だと思います。

  この数十年の間のIT化の進展で、秘書業務は劇的にその内容が変わっています。当初苦戦したのは、外国人上司の口述内容の英文速記技術と英文タイプライターの習得だったようですが、十数年の子育てブランク後に、以前の上司から請われて復職されてからは、ワープロ全盛期への対応、その後の一人一台のWindowsパソコンと電子メールによる「それまでの秘書業務の中抜き化現象」への対応と職場は同じでも、常に変化への対応の連続だったとおっしゃっていました。

  「いくつになっても新しい時代の変化に敏感に対応する努力を決して惜しまないこと」、「決して特定のボスだけ特別扱いすることなく、全ての担当ボスに対して常に公平無私の対応を心がけること」それが、長く生き抜くことができた秘訣だとおっしゃっていたのが、印象に残っています。

  人生は、本当に、様々な人との出会いがきっかけになって、チャンスや運が巡ってくることが多いように思います。私はこの方から、大きなチャンスをもらったように思います。Y.S.さん、本当にお疲れ様でした。

 上記の「生き抜く秘訣」、私なりに、「いくつになっても時代の変化に敏感に対応する努力を惜しまないこと」、「特定の顧客、上司、仕事内容だけに依存しないこと」と読み替えて、肝に銘じておこうと思います。


週末に滞在したランドマークタワーからの夜景 おすそわけ

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September 13, 2007

プロとは、「人に信頼してもらえる力を身につけた人」

  
  ようやく、来週の日経さんのセミナー(9月10日の日経夕刊をご覧下さい)の原稿、約70枚を先ほど主催者に送付することができました。想定外のスランプに陥り、モチベーションがまったく上がらなかった上、日中のプロジェクトもどんどん忙しくなる中で、本当に、本当に追い込まれました。何度も逃げ出したくなりました。先週金曜から今日まで、夜は職場近くのビジネスホテルにずっと缶詰です。家族にもまた、負担をかけてしまいました。来週のセミナーが終わったら、家族のためにも、自分のためにも、しばらく、この手の大きなセミナーは、少し控えようと思います。

  今回は、「開示資料を徹底活用した企業分析」ということで、主催者側から「誰でも知っているメーカーを取り上げてもらえると良い」とアドバイスがあったので、いろいろ悩んだ結果、ケチャップの会社マヨネーズの会社を採りあげました。両社の有価証券報告書を、それこそ穴のあくほど読み込んだので、夢に出てきそうです。体調を整えて、本番を迎えたいと思います。読者の皆様で、もし、申し込まれている方がいれば、楽しみにしていて下さい。私の今のレベルで出し切れる内容を全て出し切ろうとは思っています。

 
  皆さんからアドバイスを頂いた、スランプ脱出法、いろいろ試してみましたが、「これはズバリ」というものはありませんでした。最後は「火事場の馬鹿力」と「根性」に頼って、連日3時間睡眠で乗り切った感があります。

  ただ、一昨日、あまりに煮詰まって、深夜にたまたまテレビをつけたら、NHKの再放送「プロフェッショナル 仕事の流儀」が放映されていて、靴職人の山口さんの話が取り上げられていました。イギリスで徹底して高級靴の製作技術を身につけてきたのに、帰国して生かす場がないまま、「自分の理想とする靴」を何年も何年も淡々と作り続けたエピソードが語られていました。その彼が、完全オーダーメード高級靴のマイスターとして認められた今、司会者の「あなたにとってのプロフェッショナルとは?」といういつもの質問に答えて話したのが冒頭のタイトルです。


  私の今回のセミナーの主催者も、看板が変わってもこれまでと変わらずに仕事を発注してくれるお客様も、きっと私の仕事を認めてくれたからこそ、今もこうして仕事がつながっているのだとしみじみ思いました。その信頼に感謝をしながら、「ここで投げ出してはいけない」と強く思いました。

  たくさんメッセージを下さった皆様、メールを下さった皆様に感謝します。また、ランチをご馳走してくれたHさん、ありがとうございます。たくさんの元気をもらいました。

  一つ大仕事を片付けて、ダブルヘッダーから開放され、日中のプロジェクトだけに集中できる環境に戻れるのかと思うと、だいぶやる気が出てきました。明日からもう一仕事、がんばりたいと思います。それから週末の罪滅ぼし家族サービスも・・・。


  
  それにしても、このタイミングで根をあげてしまった安倍首相は、一体どういう心境だったのかと思います。よほど内閣、もしくはご自身の爆弾となりそうな情報を野党にでも握られてしまっていたのでしょうか。おそらく、何らかの理由で心身ともにボロボロになり、まともな判断能力もなくなる状況まで追い込まれていたのだとは思いますが、真剣に支えてくれる信頼できる政界の同志がいなかったとすれば、気の毒です。
  ただ、そうは言っても、今、北朝鮮あたりからミサイルでも飛んできたら、対処のしようがないのではないでしょうか。一国の首相たるもの続投すると決めた以上は、「命を賭ける覚悟」でぶっ倒れるまで取り組んでもらいたかったというのも多くの国民の本音ではないでしょうか。


01:43:10 | cpainvestor | | TrackBacks