May 15, 2007

消費者独占力

  
  今、「麗しのバフェット銘柄(下図)」というウォーレン・バフェットの投資手法を扱った書籍を読んでいます。もう、一体何冊のバフェット本を読んだかわかりませんが、何度読んでも、やはりバフェットの投資手法が、もっとも自分の感性とマッチします。

  日々の値動きに着目するだけでも、トータルとして勝ち越している方もいるわけで、短期トレードを否定するつもりはありませんが、やはり、私は、キャッシュを稼ぎ出す能力の高い「持続的な競争力を持つ企業」が、市場の暴落や、一時的な不祥事などで割安になった時に投資を行い、長きにわたってこれを保有し続け、企業の成長と共に分け前を頂くというバフェットの投資手法が、「投資の王道」であるように思います。

  バフェットの評価する「事業資質の良い会社」とは、私の記憶では、以下のような特徴を持った企業だったと思います。(詳しい方はコメント下さい)

○ 毎日使う消耗品など、毎期確実に需要が発生するマーケットにおいて圧倒的なシェアを保有していること。(「消費者独占力」があること)
○ 競争力を維持するために、激しい値下げや、収益力を上回る設備投資などを要求されることがなく、結果として「相対的に高い株主資本利益率」、「安定したキャッシュ・フロー」が維持されていること。
○ 株価低迷時には、積極的な自社株買いなどを行うなどの、株主重視の姿勢が見えること。


  沢山、バフェット本を読んで分かったつもりでいても、また、改めて読むと、頷くことばかりです。



  では、「日本にバフェット銘柄はないのか」というのは、いつも思うことですが、例えば、「セコム(9735)」などは、間違いなくバフェットが好む銘柄ではないかと私は思っています。

  2007年3月期決算を見ると、売上高613,976百万円(前期比8.2%増)、経常利益102,720百万円(前期比6.3%増)、当期利益58,299百万円(前期比10.0%増)ROE11.3%と、文句なしの好決算です。営業CFは子会社の保険解約準備金の減少で、当期は△20,897百万円と落ち込んではいますが、一過性のものではないでしょうか。

○ 毎期、着実にリピートオーダーが見込める(それどころか治安の悪化で、ますます契約残高が拡大しそうな)警備サービス業務における「セコム」のシェアは圧倒的で、高いブランド価値を有していること
○ いったん機械警備のネットワークを築いてしまえば、本業の警備ビジネスで多額の設備投資は必要がないこと(セコムの最近の投資は、関連事業の買収案件が多くを占めています)
○ 警備契約を締結している個人宅の名簿は、言ってみれば、「日本全国の資産家」を網羅したものになるわけで、クロスセリングで、いろいろなサービスを売り込める可能性もあること

  挙げればきりがないですが、セコムのビジネスモデルは、調べれば調べるほど、競争優位性の高い魅力的なものに見えてきます。


  「暴落時には、絶対買い進んでやる」と思い、4年以上前から狙っていますが、まあ、良い会社はなかなか下がりません。最近私が紹介する会社は、「いつもすぐには買えない割高な銘柄ばかりではないか」と読者の皆さんは思われるかもしれませんが、こういった「暴落時に購入したい事業資質の良い会社」ストックを何社持っているかも、投資家の資質としては重要であると私は思っています。

 皆さんも基本に返って「バフェット投資」をもう一度学んでみるのも良いのではないでしょうか。

  


Posted by cpainvestor at 01:15:11 | from category: c.投資雑感 | TrackBacks
Comments

WB:

「セコム」成る程、御見解は確かにその通りです。但し、WBの言うように、安く買うことが大前提ですね。
私は、この会社の株を確か8000円で1000株買って、未だに持っています、要するに塩漬けしたままです。現在は6000円を割り込んでいます。
でも、その後、購入した株の中には何倍にもなった銘柄も幾つかあり、平均すると、平均的な投資家の成績です。バフェット本を始め、読んだ本は書棚4〜5段にもなります。
これからも勉強しようと言う意欲だけは有ります。WB関連の本で一番のお気に入りは「株で富を築くバフェットの法則」です。
本欄で種々勉強させていただいた銘柄で購入した銘柄も幾つか有ります。
(May 16, 2007 09:54:10)

cpainvestor:

WB様

いつも見ていただき恐縮です。
バフェット投資の真髄は「?事業資質の良い銘柄を、不祥事や、市場の悲観時などに?割安に購入する」ことにあるのだと思います。

 これという銘柄を見つけたら、「鳴くまで待とうホトトギス」の精神が大事なのだと思います。

 今後ともよろしくお願いします。
(May 17, 2007 00:02:36)

たーちゃん:

セコムが駄目ならば、
連結子会社のセコムテクノサービス(1742)などは如何ですか!?
実は僕もここを過去に1年程保有した事があります。

子会社リスクはありますが、親会社と同様の業績推移をしており親に比べるとかなり割安です。
来期予想が弱気なことと弱い地合によって株価はジリ下げモード突入しており、僕は虎視眈々と狙っています。
(May 17, 2007 04:05:55)

cpainvestor:

たーちゃん様

こんにちは。
セコムテクノサービスは私も2年ほど持っていました。懐かしい銘柄です。ストック型の収入が少ないのが玉に傷ですが、確かに関連銘柄としては割安でしたね。最近はウォッチしていませんが。

やはり、かぶるものですね。
(May 17, 2007 08:02:27)

空色:

こんにちは。
私は「消費者独占力」より「有料ブリッジ」という言葉の方が好きです。両者とも定義はシンプルですが、その定義を満たす企業を探すのはけっこう大変だなというのが実感です。だから退屈しないんでしょうけど。

>「暴落時に購入したい事業資質の良い会社」ストックを何社持っているかも、投資家の資質としては重要であると私は思っています。

私も同感です。
ちなみに、私の投資スタイルは、
(1)暴落したら絶対買いたい優良銘柄だけに投資対象を限定
(2)その代わり、投資の際はレバレッジを活用
です。保守的なのかリスキーなのかよく分かりません(笑)。
(May 20, 2007 23:06:07)

cpainvestor:

空色様

空色様の考え方にほぼ同感です。
私はレバレッジはやりませんが。
(May 31, 2007 22:03:33)
:

:

Trackbacks